女性が管理職になりたくない理由とは ~女性だけの問題ではないのです

女性の写真 仕事
スポンサーリンク

「女性活躍推進」という言葉を聞くようになってからだいぶ経ちました。

海外のようなクォータ制(議員の一定数を女性に割り当てる)ほどではないにせよ、日本の大企業の多くでも女性管理職比率をあげる取り組みをしていると思います。

自社も管理職比率そのものを上げるという積極的な取り組みはないものの、女性の就業支援は手厚くなっていると感じます。私自身、管理職になって2年ですが、こういった流れと自分の昇進は無関係ではないと思っています。

 

それでも。

女性活躍推進が政府が思う通りに上手くいっているかというと・・・決してそうではない、のではないでしょうか。特に女性管理職比率の問題。

そして、女性管理職が増えない理由の一つとして、「そもそも女性が管理職になりたがらないから・・・」という声をよく聞きます。

この言葉を聞くと、「女性の意欲が低い」と言われているように聞こえてしまいます。でも、私自身も悩みながら昇進し、課長をやっていて。この状況って女性側だけの問題ではないよな~と強く感じます。その理由を説明したいと思います。

スポンサーリンク

女性が管理職になりたくないと思う理由

1.私生活と仕事の両立が不安

もう、この一言に尽きますね。

ライフステージに変化が訪れる、あるいはこれから変化が訪れる可能性がある、と思っている20代や30代の女性が一番心配に感じるところ。「これから起こるかもしれない、結婚・妊娠・出産・子育て、というライフイベントとの両立が可能なのか」という不安です。

私が、はじめて管理職になる道を少し意識したのは・・・10年ほど前のこと。

当時の上司から、「ポジションも限られるし、今すぐではないけれど、管理職になる道を将来目指してみては?」と言ってもらったこと。私がその時そっこーで思ったことは・・・

わたし
わたし

いや、今のまま独身ならいけるかもしれないけど、子供生まれたら絶対無理でしょ

でした。

当時、部内でも大きなプロジェクトを任されていて、月の残業をなんとか100時間以内に抑えるという時期でした。こんな働き方を続けるなんて、絶対無理。

 

それから、社内のワーママの先輩でも、子育て中に昇進を打診されて断ったという人を知っています。「子育て中の自分では、業務上でのいざという時に、仕事の責任を全うできないのではないか」と考えて断ったとのこと。とても優秀な人で、仕事への責任感が強いからこその結論だったのだと思います。

 

でもこの2つの例を見て、「女性管理職が増えないのは、女性の意識・意欲が低いからだ」と言えるでしょうか?

女性が長く働ける、安心して働ける環境を作れていない社会や企業側にも責任があるとも言えませんか?

2.ロールモデルが少ないから

1つ目の理由にもつながりますが、女性が安心して働ける社会・会社ではないから、女性管理職の前例が少ない。前例が少ないから、これからの女性が「ロールモデルがいないから不安。自分にはできない。」と思ってしまう。そうして結局、女性管理職が増えない、という悪循環。

正直、私自身はこの「ロールモデルがいないからできない」という感覚はあまり理解できないのですが、私の周りでは管理職になるかどうか関係なく、こういう言葉を口にする後輩がとても多い。

どうしてこれほど保守的になってしまうのか。

それは・・・

3.そもそも期待されてこなかったから

女性の多くは、昇進することに関して期待されてこなかったからじゃないかな、と思うのです。

これまで何の期待の声もかけてもらったことがなく、レディネスが十分でないのにも関わらず、「女性管理職を増やしたいから昇進させます」なんて言われたら。自分にできるのか、もう不安でしかないですよね。

そういう企業側の女性社員育成の下手さが出ているように感じます。

ピグマリオン効果という教育心理学の言葉があります。

教師が期待をかけた生徒とそうでない生徒では成績の伸びに明らかな違いが見られたという。 コトバンクより

 

男性の多くは自分の長いキャリアの中で「昇進するかどうか」を自然に一度は考えているんじゃないかな、と思います。

女性はいわば「教師が期待をかけなかった生徒」のよう。

即効性のある対策ではないけれど、優秀な女性であれば若いうちからぜひ期待を伝えてほしいな、と思います。(でも昇進の無理強いはもちろん禁物。逆に女性を追い詰めることになりかねません。)

まとめ

ということで、女性が管理職になりたくない理由3つでした。

女性管理職が増えないのは女性だけの問題ではないのです。企業や上司側も女性のキャリアに対する不安を理解してライフステージにあわせた支援を行って欲しいと思います。

一方で、女性は女性で、自分のキャリアを真剣に考えるならどこかで覚悟を決めることも必要。

(つづく)

現役管理職が語る、女性管理職を増やすためにはどうすればいいか
「女性活躍推進」という言葉を聞くようになってからだいぶ経ち、日本の大企業の多くでも女性管理職比率をあげる取り組みをしていますが、思う通りに進んでいない現状。どうすれば女性管理職が増えるのか、女性管理職の立場で書いてみます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました