少し前から話題になっている「9月入学」問題。
今朝(2020/5/16)の日経新聞に「2021年導入の方向で議論加速」と一面で出ていいました。今まで、都知事・県知事などの外野から主に発せられていたこの問題。とうとう、政府が動いているという新聞記事が出るってことは、もう既定路線なんだな、と認識しました。
今まで、目の前の休校問題への対応に必死で、先のことはあまり考えないようにしてきましたが、子どもを持つ親にとっては非常に気になる改革ですよね。
我が家にも、今年入学した小学1年生の息子がいます。
この学年の子供たちにどういった影響があるのか考えてみたいと思います。(一保護者の素人の考えです。)
異例尽くしの今年の小学1年生たち
9月入学でどう影響を受ける?
まず、今年の小学1年生が「9月入学問題」でどういった影響を受けるのか、ということ。
同じく今朝の日経新聞の記事を読むと、2021年から9月入学になるということは、“教育上の2020年度は17ヶ月になる”ということだそうです。
つまり、2020年4月(令和2年)に入学した今年の小学1年生は、2020年4月~2021年8月までが1年生の期間になるということ。
補足ですが、卒業学年にあたる子は、8月が卒業式になり、入試や就職活動も後ろ倒しになる。
では、今の1年生にとって良いのか悪いのか
私なりの結論
素人考えではありますが、今の小学校1年生にとってはメリットの方が大きいのではないかなと感じています。
なので、今のところ私は賛成。
理由1 : 休校による学習の遅れを補える
地域にもよるかと思いますが、小学校1年生の息子は2ヶ月弱、休校の影響を受けています。(上級生は3月から休校ですからさらに。)
休校になったことで私が一番気になっていたのは、この遅れを、いつまでに、どう取り戻すのか? ということ。
以前の記事にも書きましたが、家庭学習で代替するようなニュースもあり心配していました。
その他、夏休み返上のニュースがあったり、
昨日は、遅れを複数年度で解消する、なんていうニュースも出ていましたね。
これ、親にとっては非常に気になりますよね。
仮に、休校などなかったかのように、来年4月には小学2年生になる(学習要領も変更なし)ということなら、児童への負担、家庭への負担が半端ないです。
まさに発狂レベル。
17ヶ月かけて1年生の範囲をゆっくり消化していく、ということであればとても有難い。
地域格差の問題も、ある程度は解消できるでしょう。
理由2 : コロナの第2波、第3波にも対応しやすい
今、緊急事態宣言解除、学校再開など、徐々に生活が戻っていますね。
でも、コロナの第2波、第3波がいつ来るかわかりません。
個人的には、冬にまた緊急事態宣言が発動され、再度休校になってしまってもおかしくないと思っています。
そうなったときに、「理由1」と同様に、学習の遅れを、いつまでに、どうやって解消するのか、と言う問題が再燃します。
そして、冬の時期にそういった問題を考えていては遅いのです。だって、年度末まで残りの日数が少なくなってから取り戻すのは、無理な話ですから。
この、第2波、第3波への対策としても、今年度17ヶ月、という案は有効です。
理由3 : 早生まれの息子(と私)にとっても朗報
とても個人的な理由なのですが・・・早生まれの息子にとってもメリットが大きい。
ただでさえ、周囲からの遅れが心配だったのに、この休校問題で正直、大打撃でした。私自身が「後れを取らないようになんとかしなければ」という意識がとても強くなっていました。
子どもを焦らせたくないのに、私もイライラしてしまったり。
これが、17ヶ月ある、と思えばだいぶ気が楽になります。
ここまでが主観の話。
もう少し、別の角度で見た時にはどうでしょう。
理由4 : 受験の時期が冬でなくなる
これ、今年の受験を見ていて地味に心配していました。
職場にも、今年受験していたお子さんをお持ちの方がいるのですが、感染の不安がある中、神経すり減らしながら対応していました。
でも、一番大変なのは受験するお子さん自身ですよね。
将来、コロナが落ち着いていたとしても、インフルエンザ・風邪などの感染症流行シーズンと受験が重ならない、というのは親としても安心です。
理由5 : 留学や就職へのメリット
9月入学が世界標準なので、入学時期が9月になると留学がしやすくなると言われていますね。
そして、日本の大学生が留学すると、現状では就職に不利になってしまう(帰国してからだと就職活動のタイミングが合わない)…という問題も、9月入学になれば解消されるでしょう。
まぁ、通年採用という文化自体が、アフターコロナでどうなるか、という話もありますが。
息子が将来、留学したいと思うかどうかはさておき、選択肢が増えるのはいいこと。
9月入学の課題
ということで、息子や我が家にとっては大きなデメリットは感じません。
でも、社会全体で見れば課題は山積でしょう。そして、立場が違えば反対意見が出るのも当然のことだと思います。
懸念1 : 今の年長さん、年中さんの不安
特に来年小学1年生になるかもしれない、2015年4月~2016年8月生まれのお子さんをお持ちの親御さんが一番心配なのではないでしょうか。
我が家も早生まれでのんびりなタイプの息子だったので、こういった心配は理解できます。
いくつか9月入学反対派の方のブログも見ましたが、当面の入学だけでなく、人格形成や将来的な受験や就職の競争激化も心配されているようです。
懸念2 : 設備や教員の確保
この問題もけっこう言われていますね。来年9月の小学1年生が、単純に考えて、今年の1.4倍ですから。
でも、すごく狭い話ですが。
少子化の今、地区の小学校は、わりと余裕があるように見えます。
1.4倍になるのは来年の入学生だけですから、なんとかなるんじゃないかなと思うのは私だけでしょうか。
懸念3 : 卒業までの学費や生活費
これは主に、大きいお子さん(大学や大学院)に関してだと思うのですが。
今年度が17ヶ月になり、学費や下宿に関わる生活費が5ヶ月分増えるとなると、けっこうな痛手になりそうです。
懸念4 : 桜の文化
私の中でけっこう大きいのが、日本人と桜の関係。
桜と言えば、別れと出会い・新生活の季節。
桜を見ると、晴れやかなような、それでいて少し物悲しくもなる、という日本ならではなの感性。
こういったものがなくなるのかな。。。
以前、社内で海外赴任していた方が、「赴任中、日本の桜が見たくて仕方がなかった」と言っていたことがとても印象に残っています。
それぐらい、日本人のDNAに桜は刻み込まれていると思う。
9月入学が実現したら、桜はただの風物詩になるのでしょうか。何とも言えない寂しさもあります。
まとめ
ということで。
今年の小学1年生が「9月入学問題」でどういった影響を受けるのか。
私個人としては、休校による学習の遅れの解消、コロナ第2波、第3波への対応、児童と親の不安解消などの面からメリットは大きいと思います。
他方、それぞれの親御さんの立場で反対意見が出るのも至極当然ですし、社会全体で長期的に見た場合にも、解決しないといけな問題もたくさんあると思います。
これを機に、各方面での議論が進み、よりよい方向で9月入学が実現することを、一保護者の立場としても願っています。
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