はじめに
私は子どもの頃から本が好きでした。
だから息子が生まれた時も、「本好きの子になってくれたらいいな」という気持ちは自然とありました。
でも今振り返ると、「読書好きに育てる」というのは、簡単ではなかったと感じています。
絵本をたくさん読んでも、本を読む子になるかはわかりません。
今回は、本好き母として試行錯誤してきた、わが家の読書との付き合い方について書いてみようと思います。

絵本に囲まれていた保育園時代
保育園時代、わが家には常に絵本がありました。
本屋さんで買ったり、図書館で借りたり、保育園で申し込める絵本の定期購読も利用していました。
ただ、仕事が忙しくなるにつれて、自分で絵本を探したり図書館へ行ったりする時間が取りづらくなっていきました。その頃から、他の絵本サブスクにも手を出すようになりました。
以前「お金をかけすぎたもの」の記事にも書いたのですが、この絵本サブスク代は今思うと「他のやり方もあったな」と感じているものの一つです。

それでも、絵本に囲まれた生活そのものはすごく良い時間でした。
小学校低学年くらいまで続けた読み聞かせも、今振り返ると幸せな思い出です。
絵本から活字への壁
小学校低学年くらいから、少しずつ息子自身が自分で本を読むことも増えていました。
でも、その後は読書習慣が定着しないまま、息子は長い間、活字の本から離れていきました。
少し前に、文芸評論家の三宅香帆さんと「ヨンデミー」代表の笹沼颯太さんのYouTubeを見て、腑に落ちたことがありました。
この、「絵本から活字への移行」の時期には、話し言葉中心の「生活語彙」から書き言葉中心の「学習語彙」への壁があること。そもそも「読む」という行為が子どもの脳にかなりの負荷をかけること。
今思えば、この時期にもう少し違う関わり方ができていれば…と考えてしまいます。
とはいえ、この時期の息子が本から全く遠ざかっていたわけではなく、タイムワープシリーズやサバイバルシリーズを好んで読んでいました。
本好きの母としては「もっと普通の本も…」と思う気持ちはありましたが、そこを無理に押しつけるのも違う気がして、あまり口を出さないようにしていました。
私自身も、本を猛烈に読む時期と、読書から離れる時期の波があったからです。
ただ、息子と本の接点を完全に断ち切らないように、息子が「これ読みたい」と言った時には、できるだけ時間もお金も惜しまないようにしてきました。
中1で突然つながった「クスノキの番人」
そして今、中学1年生。最近、少し面白い変化が起きています。
中学校では毎朝短い読書時間があるらしく、入学直後に息子から「なんかいい本ない?」と相談されました。
そこで私の蔵書の中から選んで渡したのが、東野圭吾さんの『クスノキの番人』でした。
これがかなりハマって、次は『クスノキの女神』、そして今は、同じ東野圭吾さんの中から似た雰囲気ということですすめた『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を読んでいるところです。
実はこの流れには前段階がありました。
母と子の足掛け2年
実は、小6の夏休み、同じように『クスノキの番人』を勧めたことがありました。
夏休みで時間を持て余しているようだったので。この時は完全に私のお節介で始まりました。
そのときの息子は、少しだけ読み進めたものの続かず、そのまま積読状態。今思うと、息子にはまだ少し早かったのだと思います。
その後、『クスノキの番人』がアニメ映画化されました。私自身がこの小説が好きだったこともあって、一人で映画を見に行こうと思っていました。
ついでに、ダメもとで息子を誘ってみたら、なんと「行く!」とのこと。
これまで、息子が見たい映画に付き合うことはたくさんありましたが、母の趣味に付き合ってくれる日がくるとは…。
見終わった後の息子は、「早く配信こないかな、もう一回見たい!」と言うほど気に入っていました。
このような経緯があったので、中学生になり、息子から「何か良い本ない?」と言われた時に、もう一度この作品をあえて渡してみたのです。
先に映画を観たためか、息子の成長が追い付いたせいかわかりません。
でもこうして、息子の読書生活が久しぶりに戻ってきました。
本好きの親ほど、押しつけには気をつけたい
わが家が「子どもを読書好きにすること」に成功したのかと言われると、正直微妙です。
振り返ると、もっとこうできたかもと思う部分もあります。今も、学校で読書タイムがあるから読んでいるだけで、読書好きになったかどうかはわからないからです。
ただ最近は、子どものタイミングを待つことも大事なのだと、少しずつ感じるようになりました。
親が良かれと思って渡しても、本人の準備ができていない時にはなかなか届かないし、タイミングが合えば急に復活することもある。
実際に、小6の夏と中1の今とでは、同じ作者の本でもこれだけ受け取り方が変わりました。
本好きの親の「子どもも本が好きになって欲しい」という思いは、自分が思っている以上に熱量が高いから要注意。それを忘れてはいけないなと思っています。
まとめ
最近は中学生になって、生活全般において少し息子との距離感も出てきました。
それは寂しくもありますが、こんなふうに読書の話を一緒にできるようになったのは、親としてかなりうれしい変化です。本好きとしては、これはもう最高だなと思っています。
でも、ありがた迷惑にならないように。ぐっと気持ちを抑えながら、一緒に次の本を相談しています。
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