はじめに
最近、こどもNISAの話題が出ていますが、私の気持ちは正直「うらやましい」です。
わが家の息子、小6。教育費のピークが近づいてきています。今後はNISAを使って投資で増やすというよりも、いつ使うか、どこで現金化するかを考える時期に入っています。
もし、子どもがもっと小さい頃にこの制度があったら、もっと有効に使えるのに…。正直ちょっと残念です。
だから今回は、小6の親としてこれまで教育費を考えてきた私が「子どもがこれから生まれる前提ならこうする」という方法をまとめたいと思います。
制度紹介だけでなく積み立てから取り崩しまで含めた長期の作戦の話です。

こどもNISAの簡単な概要
こどもNISA(仮称)は、子ども名義での資産づくりを後押しする仕組みとして2025年12月時点で検討されているものです。
枠や引き出し条件などの細部はこれから固まる部分もあるので、この記事では制度の決定内容よりも、教育費の組み立て方のほうを考えていきます。
教育費は使う時期が決まっているお金。だからこそ、貯め方だけでなく使う前に「どうリスクを回避するか」までセットで考えるのが大事です。
まず「18歳までにいくら貯めたいか」を決める
NISAでの運用を始める前に、最初にやることは、18歳までに用意したい金額を仮置きすることです。
目標を考えないまま進むと、あとで方針転換が必要になったときに対応できない可能性があります。
大学費用の全体像は、こちらの記事で確認できます。
👉大学進学には1,000万円必要?実際の平均額とわが家の備え方
そして、わが家が意識しているのは「満額を準備しきらなくてもいい」という考え方です。ただしこれは、見積もりを小さくするという意味ではありません。
見積もりは高めに置いておく(可能性のある進路は一通り想定する)。その上で、家計としてどこまでを親が出したいかを決める。この順番にするとその後も考えがブレにくくなります。
教育費と親の働き方とのバランスの話は、こちらの記事にまとめています。
👉 40代ワーママの教育費と働き方
目標1,000万円の備え方(0歳スタートの例)
ここからは、目標1,000万円を例に、数字で置いてみます。
私なら、ざっくりと半分は預金、半分は投資(オールカントリー)で積み立てていきます。
投資だけに頼らない理由は、教育費は最後に必ず現金で払うからです。投資だけで考えていると、実際に必要な時期に相場が悪いときの負担が大きいです。
預金の目標:500万円
18年で割ると、月の積立はこうなります。
500万円 ÷(18年×12か月)= 23,148円/月
投資の目標:500万円
投資は、預金とは違って18歳ぎりぎりまで積み立てを続けるというより、取り崩し期間を見越して少し早めに終える計画にします。
ここでは、0歳から15年間積み立てて、500万円を目指すシミュレーションにします(年率5%)。
この条件だと、毎月の積み立ては18,804円が目安です。
以下は、アセットマネジメントOneの「資産運用かんたんシミュレーション」で計算したものです。

月々の必要額
ここまでを合わせると、月々の必要額はこうなります。
預金23,148円+投資18,804円 = 約42,000円/月
ここでいちばん大事なのは、この42,000円を十数年維持できるかを確認すること。児童手当をこの月々の積み立てに使うと決めておけば、そのぶん家計の持ち出しは軽くなります。
なお、先ほどの計算で使っている年率5%はやや保守的な置き方です。
過去30年のオールカントリーは実際にはもっと高い利回りすが、将来も同じとは限らないので、私は控えめに見積もるほうがいいと考えています。
小学校高学年で見直す
積み立ては、同じ方針で18年間継続するとは限りません。
わが家の息子は現在小6ですが、小学校高学年でいったん見直しするのがいいと感じています。理由は、親の目にも子どもの目にも、進路の輪郭が少しずつ見えてくる時期だからです。
わが家も、小学校入学前は将来のことがまったく想像できませんでした。でも小6の今は、医療系や海外留学はなさそう、お金がかかる可能性があるのは私立理系や一人暮らし。といった具合に、現実的な選択肢が少し絞れてきました。もちろん、この先数年で変わる可能性はありますが。
学校でもキャリア教育や職業調べが始まり、子どもの興味が少しずつ言葉になってくるので、ゼロの状態より判断しやすくなります。
だからこの時期に、残り6年の作戦(中学〜高校)を決め直すのが最適だと感じます。
投資は15年積み立てたら、5〜7年かけて取り崩す(リスク分散)
投資は、15年積み立てたら終わりではなく、そこから現金化のフェーズに入ります。
15年インデックス投資をやってきて、購入より売却(出口戦略)の方が難しいと感じています。なぜならば、取り崩したい時に相場がどうなっているかわからないからです。
ですが、出口戦略をあえて今決めるとしたら、15歳頃から18歳、さらに大学の支払いが続く期間も含めて、5〜7年かけて段階的に取り崩すことにします。相場が悪い時の一括売却のリスクを避けるためです。
ここまでのところをまとめると、イメージとしてはこんな感じです。
- 0〜15歳:積み立てフェーズ
- 15〜18歳:現金化を進めるフェーズ(少しずつ投資比率を下げる)
- 18歳以降:支払いフェーズ(必要額を現金から出していく)
さらに、本当に相場がかなり悪い年に当たったら、できるだけ預金を先に使います。そして、足りない分は奨学金も含めて「つなぐ」選択肢を持っておくことも必要かもしれません。
一時しのぎとして借りるのであれば、親が返すつもりで卒業後に家計から返済できるかまでセットで考える。もちろん、子ども自身が返済するパターンもありだと思います。
大事なのは、プランBまで考えておき、その時の相場で家計が振り回されにくくしておくことです。
まとめ
小6まで来てみて思うのは、教育費の備え方は「金額」だけでなく「タイミング」が難しいということです。小さい頃は先が見えにくいから不安だし、見え始めた頃には、残りの準備時間が一気に短く感じる。
だから、積み立てる時期と現金化していく時期を分けておき、相場の良し悪しに振り回されにくくすることが大事だと考えています。
こどもNISAは、正解の使い方が一つに決まる制度ではありません。でも、先に家計の長期計画を描いた人ほど味方につけやすい制度だと思います。
わが家はタイミング的に間に合わなそうですが、これからの人が「はじめどき」を逃さないように、この記事が小さなヒントになればうれしいです。
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本記事は筆者の経験と考え方をもとにした内容であり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。なお、本文・画像の無断転載はご遠慮ください。
