※この記事は、私の「お金と生き方」の原点をたどるシリーズ 、第2回です。
第1回:反省だらけの大学時代
家庭で「お金の話」を聞いたことがなかった
「お金の価値観」は、育った家庭の影響を強く受けるものだと思います。結婚して夫婦で家計の話をするようになって、改めてそれを実感しました。
でも、私の実家の場合、そもそもお金の話が家庭で話題にのぼることがありませんでした。
父や母が家計簿をつけている姿も見たことがなく、銀行口座や貯金の話、生活費のやりくりについても一切聞いた記憶がありません。
それが当たり前の環境で育ったので、大人になるまで家計管理というものをイメージできなかったんです。
借金を抱えた両親と、そのことを知らなかった私

私が高校生の頃、両親は新しい事業を始めました。それがうまくいかず、借金を抱えることになります。
ただし、当時の私はそのことをまったく知りませんでした。
高校を卒業して東京の私立大学に進学したときも、両親は「頑張っておいで」と送り出してくれました。後になって思えば、家計は相当大変だったはずです。それでも、私には不自由を感じさせないようにしてくれていました。
親の立場になった今、子どもにお金のことで心配をかけたくない気持ちはよくわかります。
けれど、やっぱり私は、あのとき子ども扱いせずもう少し現実を話してもらえていたら…という気持ちも捨てきれないのです。お金の重みを知らないまま大学に進み、現実を知るのはずっと後になってからだったからです。
「反面教師」として学んだこと
私の両親は、派手な暮らしをしていたわけではありません。どちらかといえば真面目で、堅実な人たちでした。
それでも、「お金の話を避ける」「子どもには知らせない」という方針が、結果的に家計の実態を不透明にしてしまったのだと思います。
社会人になって自分で働くようになり、初めてその重さに気づきました。
給料の中から生活費をやりくりし、奨学金を返す。自分で稼いだお金があっという間になくなる現実を前にして、
「自分でお金を稼いで生きていくって、こんなに大変なことなんだ」と感じました。
両親のことを反面教師にして学んだのは、お金のことを知らないまま大人になるより、早いうちから現実を知るほうが将来の選択肢は広がるということ。
私自身は、親としてそう思うようになりました。
おわりに
両親が借金を抱えながらも、私を大学に通わせてくれたこと。それは今でも心から感謝しています。同時に、「親の頑張り」を知らずに過ごしたことが、今の私のお金への意識を強くしました。
お金のことを曖昧にせず、現状をきちんと見て、数字で把握する。そんな「見える家計」を意識するようになったのは、実家の「見えない家計」を見てきた反動でもあります。
だからこそ、今の私は家計簿をつけ、将来のお金の見通しを立てるようになりました。それが私なりの、親から学んだことであり、親として息子に見せたい姿勢、なのだと思います。
次回は、第3回(最終回)奨学金返済とワープア時代について書いていきます。
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