扶養内?それとも外れる?年金改革ニュースから考える、私たちの働き方とお金のこれから

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はじめに:最近の年金改革ニュース、どう感じましたか?

最近、「厚生年金が国民年金を肩代わり?」とか「国民年金第3号は廃止の方向へ?」といった年金制度のニュースが立て続けに出ていますよね。私もつい反応してしまいます。

かつて会社員として厚生年金を払い続けていた身としては、「国民年金 第3号ってやっぱりずるくない?」と思ったこともありました。だけど今は私自身が、第3号の立場。

今回は、そんな私自身の立場の変化や、年金制度に対する感じ方の変化を振り返りながら、「これから私たちはどう暮らし、どう働いていくのか」について考えてみたいと思います。


会社員時代は「第3号ってずるい」と思ってた

私が会社員だったころ、正直に言うと「国民年金第3号って、ずるくない?」と感じていました。

こちらは毎月、給与からしっかり厚生年金を天引きされているのに、専業主婦(夫)や扶養内のパートの方は、保険料を払わなくても将来年金をもらえる仕組み。しかも自分の給料から、そうした人たちの年金原資まで支えるかたちになっている――。

そんなふうに聞くと、どうしてもモヤモヤしてしまう気持ちが湧いていたんです。

私は自分の力で働いてるのに、誰かの面倒まで見るの?

そんなふうに感じていたのは、まだ自分が「支える側」にいたからこそ。


今はその“恩恵”を受ける立場

今の私は、フリーランスとして在宅で仕事をしながら、夫の扶養内に収まるように働いています。つまり、以前は「ずるい」と感じていた第3号の立場になっているわけです。

実際にその立場になってみて初めてわかることもありました。いわゆる「年収の壁」です。

「仕事が増える」→「このままいくと扶養を外れそう」→「でも外れたら健康保険も国民年金も自分で払うことになる」→「それなら、相当稼がないと手取りは逆に減る。しかも、今の収入がこのさき続くかどうかも分からない。」という悩みがついて回ります。

働きたい気持ちと、制度の壁の間で悩んでしまいます。甘えかもしれないけれど、家事育児とのバランス、体調、時間の制約…考えることはたくさんあります。

だからと言って、3号を廃止しないで!とも思っていません。年金の財政が厳しいのは様々ニュースからひしひしと伝わってきます。


年金制度の今後は「自分の分は自分で」の方向に進んでいる

最近の年金制度の動きを見ていると、「これからの時代は“自分の分は自分で”が当たり前になっていくんだろうな」と感じます。

たとえば、厚生年金と国民年金の財源を一体化して、厚生年金が国民年金を支える仕組みへの転換案。これは「持続可能な年金制度のため」とされつつも、実質的には会社員や公務員(第2号被保険者)の負担が増える方向の話です。

さらに、第3号被保険者の見直しや廃止の検討、パートタイムでも社会保険適用が広がる「106万円の壁」の撤廃、さらには遺族年金の改定まで…。どれもが、「誰かの制度に乗っかるのではなく、自分で稼ぎ・納め・受け取る仕組み」に変えていこうという意思を感じます。


年金に過度な期待はしない

正直なところ、私はもともと将来の年金に対して、よくも悪くも「そこまで期待していない」というスタンスです。

もちろん、年金制度は人生のどこかでお世話になる可能性がある――たとえば、万が一どちらかが早く亡くなった場合の遺族年金や、重い病気で働けなくなったときの障害年金など。そうした“保険的役割”は、制度があるからこその安心だと思います。

でも、老後の生活を「年金だけ」でまかなえるとは思っていません。

だからこそ、「損か得か」だけで制度に一喜一憂するのではなく、「どんな制度があるのか」を知ったうえで、将来に備える自分でいたいなと思うのです。


大事なのは制度に合わせて働き方と資産形成を選ぶこと

年金や社会保険の制度は、私たちの暮らしに直結しています。だからこそ「制度に合わせる」ことも、ある程度は必要です。けれど、それが目的になってしまうと、本末転倒だなとも感じます。

たとえば、「扶養の範囲内にとどまる」ことを第一に考えすぎると、本当はやりたい仕事をセーブしたり、無理に仕事量を調整したり…というジレンマが生まれます。

私自身の3号という立場について。今は、働き方を模索中なので、制度が続いている間、収入や所得が決められた範囲でおさまっている内は制度のお世話になろうと思っています。ただし、年金制度の今後は「自分の分は自分で」の方向に進んでいることは忘れないように。

社会保障は大事。でも、そこに「全部を任せる」のではなく、「うまく活用する」くらいの距離感がちょうどいいのかもしれません。そのために、投資や貯金という手段で、年金だけに頼らない備えをつくっておくことが自由な選択を支えてくれると考えています。


おわりに:制度は変わる。だからこそ、振り回されずに暮らしていく

年金制度も、社会保障も、時代とともに少しずつ変わっていきます。

だからこそ、変わっていく制度に「振り回されない」こと。そして、自分自身や家族にとっての「優先順位」や「価値観」を見つめ直すこと。

私もいま、「扶養内にとどまるのか、それとも外れて自分で社会保険に入るのか」という岐路にいます。悩ましいけれど、これをきっかけに、自分にとってちょうどいい働き方や暮らし方を再確認していきたいと思っています。

うまく使いながら、自分らしく生きるための道をつくっていけたら――。そんなふうに思っています。

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