子どもが一人増えて月々の生活費はどうなった?~物価高もふまえて12年分の家計を比較してみた~

目次

はじめに

「子どもが生まれてから生活費が増えてるけど、夫婦2人の時とどれくらい違うんだろう?」
「わが家の増額分は、妥当な範囲かな?」

そんなふとした疑問から、家計簿歴15年の私が、わが家の実際の家計簿12年分(2013年〜2024年)をもとに、物価の上昇や子育て費用をふまえて、実際に支出がどう変化したのかを見える化してみました。

単純に「生活費が増えた」といっても、

  • 物価そのものが上がった影響なのか?
  • 子どもにかかる費用が増えたからなのか?
  • それとも、なんとなく浪費しているのか?

こういった原因をはっきりさせるには、実際の数字と比べてみるしかない!

ということで、数字で見るわが家の12年の変化、スタートです。

生活費は12年間でどのくらい増えたのか?

まずは、家計簿に記録していたわが家の支出を集計しました。

対象としたのは、月次支出(生活費)と、年単位で管理している特別費のうち、子どもに関わる費用(子ども費と旅費)です。

※ 旅費は、年間でかかった金額の1/3の額を子どもにかかった費用としています。

以下が、支出額の推移をグラフにしたものです。

【グラフ】わが家の支出額の推移(2013~2024年)


わが家の家計管理項目については、以下の記事もご参照ください。

📌 結果から見えたのは…

  • 2013年:年間約280万円(夫婦2人)
  • 2024年:年間約380万円(子ども小5)

この12年で、生活費は約100万円・36%増加していました。

うわっ、思ったより増えてる…

と驚きつつも、私がフリーランスになった2023年以降は、家計を見直したこともあり削減効果が出ていますね。

では、もう少しこの増加の中身を分解して見ていきましょう。


インフレと子育て費用を考慮するとどうなる?

「生活費が増えた」と言っても、その背景には当然いくつかの要因があります。

今回は特に以下の2つに注目して、支出増加が“妥当なものか”どうかを検証してみました。


① インフレ(物価上昇)による生活費の自然増

2013年〜2024年のインフレ率(消費者物価指数ベース)は累計で約14%程度。

以下が、IMFに基づく2013年のインフレ率のデータです。

年度 インフレ率(%)
2013年0.33
2014年2.76
2015年0.80
2016年-0.12
2017年0.49
2018年0.99
2019年0.47
2020年-0.03
2021年-0.24
2022年2.50
2023年3.27
2024年2.74
合計13.96

【表】年別のインフレ率(%)


仮に夫婦2人暮らしをそのまま続けていた場合でも、以下のように、生活費が2013年より約14%増えていて当然な状況なのです。

【グラフ】夫婦二人の生活費の理論値


② 子育て費用の追加(国の平均データから)

子どもが一人増えると、どの程度、支出が増えるのか?

気になりますよね。

今回は、内閣府「インターネットによる子育て費用に関する調査(平成22年)」のデータをもとに年間支出の目安を算出しました。

ちょっと古いデータですが、子ども一人あたりにかかる全ての費用を可視化しており、とても参考になります。

【図表3-1-3.第1子の年齢・学年別にみた第1子一人当たりの年間子育て費用額(対象者全体平均)】


この統計データは少し古いです。現在と大きく違う点として、「幼児教育・保育の無償化(2019年~)」がありますので、その点を考慮して比較いただけるよいいかと思います!


📉 比較してみる

では、前章で見たわが家の支出額の実績と理論値を比較してみます。

理論値は、①の「夫婦二人の生活費の理論値(インフレ考慮)」に、②の「 子育て費用の平均額」を足したものです。

結果は以下の通り!

【グラフ】2014~2024年のわが家の支出額と理論値の差異



こうしてみると、差異は年によってばらつきがありつつも、ほとんどの年で理論値を下回っていました。

オーバーしていたのは、2021年・2022年。これは理由がわかっていて、私が前職を辞める前の管理職時代、夫婦ともに多忙で外食や宅配利用を多用していたためです。

こうしてみると、わが家はインフレや子どもが増えて生活費は増えているものの、増加額は比較的堅実、といえることがわかりました。


支援制度の変化も家計に影響

今回の分析では、インフレ率や子ども費用の平均値をもとに理論値を算出し、わが家の支出と比較しました。ただし、もう一つ見逃せないのが、「子育て支援制度の変化」です。

子育て世代を支える制度は少しずつ整ってきていると思います。その中でも、家計に影響が大きい制度は以下の2つです。

2019年:幼児教育・保育の無償化

2019年10月から始まった「幼児教育・保育の無償化」により、3歳~5歳の子どもを対象とした保育園や幼稚園の利用料が原則無料となりました。

わが家の場合、制度が始まったのが年長の秋だったのであまりこの制度の恩恵は受けられなかったのですが、現在の対象世帯の方は支出抑制に確実に寄与していると思います。

2020年:高等学校等就学支援金の拡充(高校無償化)

本記事の分析にはあまり関係しないものの、高等学校等就学支援金制度が拡充されています。

息子が高校生になるころにはまた制度が変わっている可能性もありますが、家計にも大きく関わるため、今後モニタリングしていきたいポイントです。

中学進学を前に、これからの支出はどうなる?

2025年、わが家の子どもは小学6年生。いよいよ中学校生活が目前に迫ってきました。

子育てにおける大きな支出の転換点は、おそらく中学・高校への進学だと思っています。部活動、制服、定期代、学用品、そして塾や模試といった学習支援費用。公立であっても、それなりの準備と覚悟が必要です。

実際に、先ほど紹介した統計データにて、小6から中1にかけての支出の伸びがえげつない…。

とはいえ、今後の支出増を不安視するというよりは、「これからどこにどれくらいお金がかかるのか」を冷静に把握していきたいという気持ちが強くあります。

これまでも家計簿をつけ続けてきたように、これからも支出の変化をモニタリングしつつ、「自分たちの価値観に沿ったお金の使い方」ができるとよいなと感じています。


まとめ

家計簿を12年分振り返ってみて、あらためて感じたのは、「子どもがいるからお金がかかる」は本当だけど、どこにどうかけるかは家庭次第だということです。

わが家は、保育料が高かった時期はありつつも、全体的には平均よりも年間で10〜50万円程度おさえた支出で育ててこられました。それでも「我慢していた」「節約しすぎて後悔した」と感じることは、ほとんどありません。

むしろ、どこにお金をかけて、どこはあえてかけないかを都度家族で話し合いながら選んできたことが、わが家にとっては大きな財産になっています。

これから中学・高校と教育費の本番が始まっていきますが、焦らず・慌てず、「自分たちらしい暮らしと子育て」を支えるお金の使い方を続けていけたらと思います。

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