はじめに
「なんで辞めたの?」と、よく聞かれます。
会社を辞めたのは40代。
管理職という立場で収入は安定していたし、福利厚生も申し分なかった。「辞める理由なんてないでしょ?」と思われるような状況だったかもしれません。
でも、私は会社を辞めました。
実際に、マイナビの「転職動向調査2025年版(2024年実績)」の記事によると、40代女性、50代女性の転職率は前年より増加しており、40-50代の転職活動が活発化していることがわかる、とのことです。
今回は、私が大手企業の管理職という立場を手放してフリーランスという立場を選んだ理由を正直にお話ししてみようと思います。

管理職の仕事に感じた限界
会社員として、母として、自分で言うのもなんですが、私は本当にがんばっていたと思います。
仕事に全力、家事や育児もこなして、隙間時間で本を読んだり勉強したり。本当に毎日ずっと走っているような毎日でした。
でも、ある時、ふと思ったんです。

私、なんのために頑張ってるんだろう・・・?
言い方は悪いけど、毎日のように、他部署との調整、役員の御用聞き、時にはメンバーの代わりに謝罪。まさに調整屋としての日々。頑張れば頑張るほど、さらに面倒ごとが降ってくる。
ありがたいことに、そんな私を評価してくれる人もいました。「部長目指してがんばれ!」と言ってくれる方も。
でも、心が動かない。
部長を目指したいと思わなければ、課長として頑張り続けることもイメージできない。「このままずっと、私じゃなくてもできることをやり続けるのかな」という虚しさが、どんどん膨らんでいきました。
私の専門性って、なんだったっけ。
やりがいって、どこにあったっけ。
「このままでいいの?」家族の出来事が背中を押した
そんな時期に、父が急逝しました。
救急搬送されてから数日で、あっという間に。
父は、自分のやりたいことをやりたいように生きた人でした。私はそんな父の生き方を反面教師にして、反発していた時期もありました。
父が亡くなったあとの日々、ぼんやりと頭に浮かんできた言葉は、「このままでいいの?」でした。私は、自分の人生をちゃんと選んでいるのかな…。
その頃、小学生の息子の学童問題も発生しました。
家の近くに住宅が増えたことで、次の年度からは入所できなさそうだという話。学童が使えなくなると、放課後や長期休暇に息子は家でひとりきり。当時の息子には、それはまだ難しいと感じました。
息子は1歳から保育園に通い、学校・学童にも楽しく通ってくれました。でも、どこかで「無理をさせてきた」という思いが私の中にずっとあったんです。
子どもとゆっくり過ごせるのは小学生のうち。あと数年。その貴重な時間も、また犠牲にしてしまうの?
退職時の心の支え
退職を切り出すのは、本当に怖かったです。でも、私の心と体は限界に近づいていました。
当時、コロナの後遺症の影響もあり、常にどこかしんどさを抱えていました。年齢的な体力の低下も感じていて、会社に行くだけで精一杯。この日々が、ずっと続くのかと思うと……とても無理だと思ったんです。
それでも、退職を決断できた背景には、小さな支えがありました。
それは、金銭的な備え。
元々家計簿を20年近くつけていて、生活費や貯蓄の感覚はわかっていました。フリーランスになって収入が減っても、やっていけるという見込みがあった。
もちろん、夫がいてこその生活設計です。今の私の働き方を受け入れてもらっていること、夫にはとても感謝しています。
年収1/10になっても後悔しなかった理由
フリーランスになってから、確かに収入は激減しました。でも、不思議と不安よりも「自由」を感じる時間の方が多かったです。
・時間の優先順位を自分で決められる
・体調や家族の予定に合わせて働ける
・小さな成功を自分の力で積み重ねられる
お金の余裕は減りましたが、心の余裕は確実に増えました。「収入の多さ=幸せ」ではないと実感できたのは、この働き方に変えたからこそです。
働き方を選ぶ時代に
会社員時代の私は、「辞める=逃げる」だと思っていました。でも今振り返ると、「辞める=選び直す」だったんだと思います。
自分の軸を取り戻すために、立ち止まることも必要だったのかもしれません。
私が今求めている働き方は、「自分の心と体が無理なく続けられる働き方」。それを探して、少しずつ模索中です。
これから働き方を見直したい人も、「辞めたい」「続けたい」と揺れている人も、焦らずに、自分にとっての納得を大事にしてほしいと思います。
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おわりに
働き方を変えることは、勇気がいる選択です。
けれど、その一歩が「自分らしさ」を取り戻すきっかけになることもあります。
40代になってからのキャリアは、守るだけではなく、見直す時期でもある。この記事が、あなたの次の一歩を考えるきっかけになれば嬉しいです。








