あのときは、ワーママが辞める理由を理解できなかった
会社員だった30歳ごろのこと。
社内の40代の女性社員がポツポツと辞めていくことに気づきました。多くは子持ち社員。お子さんはすでに小学生、なかには高学年や中学生という人も。
当時の私は、妊娠前で子育てに関することはよくわかっていませんでした。「子育てって、0歳〜小学校入学くらいがいちばん大変なんだろうな」と思っていたのです。

なんで今、辞めるんだろう?子供がある程度大きくなったら、少しは楽になるんじゃないの・・・?
当時の私には正直ピンときませんでした。


それから10年以上たって——
私も、子どもを育てながら働く日々を経験し、今は40代。あのときの辞めていった先輩たちの気持ちが、私もわかるようになりました。
子どもが成長しても、悩みは終わらない
子どもが保育園の頃は、本当に毎日がバタバタ。
- 常に抱っこして体力消耗
- 急な発熱にドキドキ
- 帰宅後から就寝までノンストップ
「この大変さはいつまで続くんだろう…」と毎日思っていました。
でも、小学校に上がってからも、大変さは別の形でやってきます。
- 学校の様子は本人が話さない限りよくわからない
- 宿題のチェックや学習面のサポートをどうすればいいのか
- お友達関係、発達面の気がかり
手がかからなくなったと思ったら、今度は別の悩みが増える。それも、何が正解かわからない悩みばかり。
子育ての「残り時間」が見えてくる
日々成長する子どもを見ていて、いつも思います。「あと何年、こうして一緒に過ごせるんだろう?」
最近も俵万智さんの短歌が話題になりましたね。
最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て
中学生になったら反抗期、高校生になったら部活や友達優先、大学生になったら家を出てしまうかもしれない。
気づけば、子どもと過ごす時間はもう折り返し地点。
「もっと子どもと向き合いたい」
「このまま仕事だけに追われていいのかな?」
そんな思いが、胸の奥から湧いてくるのです。これが、私自身が退職してフリーランスを選択した理由の一つでもあります。
気力も体力も、確実に落ちている
「疲れた…」「しんどい…」と感じる日が増えたのも、40代に入ってから。
- 朝起きても疲れが取れない
- 生理周期が不安定になって、メンタルが乱れる
- 頭では動けるはずなのに、体がついてこない
30代の頃のように「気合いでなんとか!」が効かなくなってくる。だからこそ、毎日の小さな負担が重くのしかかる。
ダブルケアの現実もちらつく
そしてもうひとつ。
40代になると、親世代の変化も目の前にやってきます。
- 体調を崩す親
- 「何かあったらどうしよう」という不安
- サポートの必要性を感じるようになる日常
仕事・子育てに加えて「親のこと」も——。
“両側から求められる”という状況が、じわじわと心をすり減らしていくのです。
キャリアの「行き止まり」が見えてくる
かつては、「もっとやりがいのある仕事を」「新しいプロジェクトにも関わりたい」と意欲的だった自分。
でも40代になると、ふと冷静にこう思ってしまう。
- 「これ以上、出世したいわけじゃないかも」
- 「自分の限界も、なんとなく見えてきたな」
- 「いまの仕事って、私じゃなくてもいいのでは…?」
私自身も、管理職を経験したからこそ、自分と会社の先がなんとなく読めてしまう。それはある意味、“区切り”を考えるきっかけにもなるのです。
そして、私も仕事を辞めた
その後フリーランスという道を選びました。管理職をしていた会社員時代に比べて、年収は正直ぐんと下がりました。
でも、
- 子どもを「おかえり」と迎えられる
- 急な体調不良にも落ち着いて対応できる
- 自分のペースで働くことができる
そんな暮らしが、今の私にはとてもしっくりきています。
おわりに
「ワーママ 疲れた」
「仕事辞めたい 疲れた 40代」
——そんな検索をしながら、もやもやと悩み続けているあなたへ。
すぐに答えを出さなくても大丈夫。でも、その疲れは、見て見ぬふりをしないでほしいのです。
私は、自分の中の優先順位や価値観を見直すことで、ようやく気持ちが少しずつ整っていきました。
- 仕事を続けることは、自分にとって何のため?
- 子どもと過ごす時間を、どんなふうに感じていたい?
- 家族として、どう支え合っていきたい?
そして、目の前だけじゃなく、5年後・10年後の自分と家族をイメージしてみる。それだけでも、選びたい未来が少し見えてくることがあります。
この先も、あなたらしく働いて、生きていけますように。一人の働く母として、応援しています。