高市さんのニュース
土曜日、自民党総裁選のニュースに思わず目を奪われた。
昨年の総裁選から1年。とうとう自民党総裁、ひいては女性初の総理が誕生する日が来るかもしれないってことか…。
私は政治のことは詳しくないから、高市さんを政治家としてすごく押しているというわけではないけれど、テレビに映った彼女のブレない表情とまっすぐな立ち居振る舞いが、強く印象に残った。
覚悟を感じさせる姿に、素直に「かっこいい」と思った。
なんでこんなにその姿に惹かれるのだろうと考えたとき、きっとそれは、私自身がかつてブレブレの管理職だったからだということにふと気づいた。

上にも下にも、そして周囲にも気を配る日々
会社員時代、私は上司と部下、他部署とのあいだに立ち、全方位に気を配る立場だった。会議では意見をまとめ、トラブルが起これば火消し役。
「調整が上手い」「バランス感覚がある」と評価してもらえることもあったけれど、実際にはそのバランスを保つほど、自分の考えが薄れていくような感覚があった。
最後のほうは、ふとした瞬間に思うようになった。
「私の考えって、どこにあるんだろう?」
人と人の間に立つたびに、少しずつ自分がすり減っていくようだった。
会社を辞めた理由はいろいろあって、正直なところ一つには絞れない。けれど、あの調整ばかりの日々から逃げて、自分らしさを取り戻したいと思ったことも大きかったと思う。

フリーランスになって見えた景色
会社を離れて数年。
自由と不安はセットだし、誰も守ってはくれない。でも、誰の期待にも合わせず自分の考えで動けることが、思っていた以上に心地よかった。
「自分がどうしたいか」
その軸で仕事を選べるようになって、ようやく少しずつ自分らしさを取り戻しているような感覚がある。でも、今もまだ自分の働き方に100%の自信が持てているわけではないし、悩みの最中でもある。
だから、高市さんのように、ブレずに自分の意思を貫こうとする姿に惹かれるのは、きっと「自分の意志で動く強さ」への憧れなんだと思う。

シェリル・サンドバーグの言葉を思い出す
会社員時代、『LEAN IN』の著者・シェリル・サンドバーグさんの言葉に強く共感したことがある。
一人の成功は、次の人の成功を容易にする。自分自身のために、他の女性のために、娘のために、そして息子のために、それをしよう。
「自分の子どもたちには、望むことをしてほしい。自分のほんとうにしたいことを見つけたら、大きく踏み出し――そして進みつづけてほしい、いつまでも。
管理職だった頃は、「私も次の世代のために闘い続けよう」と思っていた。
だから、会社を辞めたとき少しの後ろめたさを感じた。私は、あの闘いのフィールドから降りてしまったのだと。
けれど今は、「私は闘い方を変えただけなんだ」と思う。
組織の中で闘う人もいれば、別の選択肢を選ぶ人もいる。どちらも社会を少しずつ変える力になるはずだと信じたい。
ブレずに立つ人に、勇気をもらう
私自身も男性社会で管理職を経験してみて思う。高市さんが総裁になったからといって、社会の「ガラスの天井」がすぐになくなるわけではない。
それでも、彼女の存在が「女性がトップになること」が当たり前の世の中につながっていくなら、それは大きな一歩だと思う。
そして何より、ブレずに自分の意思を貫く姿を見て、私自身も「自分の軸で生きていい」と思い励まされているのだ。
📌 私のワーママ管理職体験記はこちら